4月半ばからの1週間でつるアイスバーグに黒星病(黒点病ともいう)が一気に広がってしまった
毎年3月の下旬から4月の上旬にかけて予防薬を撒いているが、今年は試験的に何もしていなかったところ、強風、連日の雨が続いてすっかり病気が広がってしまったのだ
あわてて治療剤であるサプロールを散布する
数日後には殺菌剤であるダコニールも散布予定
今日使ったのはサプロール(治療剤)、モスピラン(殺虫剤)、ダイン(展着液)の3つ
これらの薬剤はあえて小さいものを買うようにしている
薬剤なので処分に困るため、古くなる前に(概ね2~3年以内)使い切りたいからだ
黒星病の発病プロセス
まず発病までのプロセスを押さえておきたい。ここがわかれば対策もたてられる
- 原因は糸状菌のカビで、胞子が土の跳ね返りや、風や虫により運ばれてきて葉に付着
- 雨などで濡れた状態が7時間以上続くと発芽
- 発芽温度は22度~26度のため春から初夏と秋口に広がる
- 若い葉は天然の保護膜があるので罹患しにくいが、雨などで徐々にこの保護膜が無くなり、付着した胞子が発芽するようになる
- 葉裏の気孔からも菌が侵入する
ということで、春と秋に長時間濡れていると発病しやすいということがわかる
黒星病対策
黒星病の胞子がつかないようにすることと発芽を防ぐ(濡れない)ことに注意しつつ、適宜消毒薬を散布することが必要となる
- 軒下など雨のあたらないところで育てる
- 菌は土中で越冬しているため、マルチングにより降雨等の跳ね返りを防ぐ
- 水やり時にも跳ね返りに注意
- 風通しがよくなるよう、出開きを取ったり芽かきをする
- 短時間の雨の場合はバラをゆすって水滴を落とし乾きやすくする
- 枝や芽で越冬した菌を殺すために芽吹きの時期にオーソサイドで消毒する
- 雨、強風時の前にダコニールによる保護層を作る
- 発病したら治療薬を散布
- 罹患した葉を取り、元気な葉への感染を防ぐ
- 罹患して落葉した葉をそのままにせず除去する
消毒の散布時に絶対に間違って欲しくないのは
黒星病って書いてある薬剤なら何でもいいんでしょ?
っていう勘違いである
菌の侵入を防ぐ薬剤と、すでに侵入した菌に対する薬剤は別物であることに注意しないと、大変な思いをして薬剤散布しても効果が薄れてしまう
私も最初の5年くらいはせっせとサルバトーレばっかり撒いていて、予防効果がまったくなかった。気づいて予防剤を撒くようにしてからは夏までに葉を落とすことが無くなった(今年はヤバいが。。)
バラの黒星病予防の殺菌剤
したがって、既に付着した菌が発芽して、葉の内部に菌糸が伸びた状態には効果がない
発病している場合は、治療薬を3日置きに散布し、元気な葉用にダコニールを散布することになる
ダコニール1000
ダコニール1000 の詳細は下記のとおり
適用病害 | 黒星病、うどんこ病、斑点病 |
有効成分 | TPN(テトラクロロインソフタロニトリル) |
希釈倍率 | 1,000倍 |
使用方法 | 散布(病気の発生前~発生初期) |
総使用回数 | 6回/年以内 |
使用時期 | 開花期と夏季高温期(25度以上)を避ける |
効果 | 胞子発芽阻止、胞子形成阻止 |
本来は7日~10日おきに散布したいが、年6回までのため、私は例年1番花の開花までに2回、1番花が終わってから梅雨が明けるまでに3回程度散布している(予備1回)
花が咲いている時期と、高温期は薬害が出るので使えないことも注意が必要
よく振ってから使用すること
オーソサイド水和剤80
オーソサイドの詳細は下記のとおり
適用病害 | 黒点病、灰色カビ病、ベト病 |
有効成分 | キャプタン |
希釈倍率 | 600倍 |
使用方法 | 散布(病気の発生前~発生初期) |
総使用回数 | 8回/年以内 |
使用時期 | 薬害に強いので特になし |
効果 | 薬剤耐性に強く耐性菌対策に 種子消毒や土壌病害にも利用される |
薬害が出にくいので、低温期や高温期でも使え、芽吹きの時期に越冬している菌への対策として散布できる
ちなみに年間の使用回数が決まっているのは、菌が薬剤に耐性ができてしまうため、何度も使うとその薬が効かなくなってしまうから
株元のマルチング
また、バラの根元はクリプトモスのLサイズでマルチングしている
このLサイズのクリプトモスは、バラのマルチングのほか、ベコニアの越冬対策にも利用している。Lサイズは普通のホームセンターではなかなか売っていないので、ネットで100Lのものを買っているが、相当な大きさなので数年もつ
マルチングは50L以上入りで風で飛ばない目の大きいものが欲しいので、バークチップが安く手に入る場合はバークチップをひく時もある
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